野球中継用にスピードガンの速度データ出力システムを開発しました
野球中継ではスピードガン表示があると非常に盛り上がりますね!
当社がサポートしております、北海道ベースボールリーグ所属の『旭川ビースターズ』の中継システムを構築しております
2024年度まではスピードガンは利用しておらず、球場にも設置されていないため詳細な速度はわかりませんでした
唯一旭川スタルヒン球場にはスピードガンが設置されているので速度がわかるのですが、大半はあいべつ球場を利用しています。
そこで、2025年度はなんとかスピードガン表示を入れたい、とのお話をいただき開発を行いました。
高価なシステムは導入できないため(無線免許の問題もあり)一般的に購入できる製品を利用することにしました。
あいべつ球場
https://www.town.aibetsu.hokkaido.jp/03/03/03/547
ぴっぷ球場
https://www.town.pippu.hokkaido.jp/cms/section/kyouiku/p1rhin0000003m59.html
YouTube中継を行う際に必要な仕組み
球速を中継画面に載せるためにはパソコンに速度データを取り込む必要があります。
ラプソードやトラックマンといった高級な製品だとそれがすぐにできますが、なかなかそうもいきません。
実現可能性のあるものは、
- スピードガンからデータを取り出す
- 表示された速度を何らかの方法で入力する
現在一般的に購入できる商品で色々と検討した結果、スポーツレーダー社のSR3600を利用することにしました。
これは外部出力ができる製品で、専用のLEDディスプレイに表示させることができるようです。
この仕組みを活用して専用のシステムを開発し、速度データをパソコンに取り込めるようにしました。
スポーツレーダー社 スピードガンSR3600
これにより、取得した速度表示をパソコン上で表示できるテキストに変換し、クロマキー処理を施して数字のみを合成します。
スピードガン自体は一般的な小型の物になるため精度という点ではラプソードやトラックマンには及びませんが、
独立リーグという中では力を発揮してくれるのではと思います。
移動型スピードガン表示システム
旭川ビースターズの公式戦を行う「あいべつ球場」「ぴっぷ球場」にはスピードガンがないため、独自の機器を設置して実現予定です。
簡単な速度を表示させるだけのシステムで、これ単体での利用は想定せず、中継映像に合成して利用します。
クロマキー合成用に背景色を変更できるようにしています。
ついでに表示色も変更できるようにしました。
例えば、151km/h以上は黄色い文字にする、というような改造も可能です。
現時点では追加はしていませんが、来シーズンまでには導入するかもしれません。
OBSの画面合成で速度部分だけを切り取る想定です
PC画面に表示されるため、速度表示だけを拡大表示して、普段の練習時に大きなディスプレイやTV画面に表示させる、といった使い方も可能です。
画像認識型システム
現状はデータ出力機能を持ったSR3600にのみ対応していますが、スピードガンは色々な種類があります。
外部出力機能がないものが多かったりします。
ためたデータを取り出して後から確認するものはあります。
通常は練習や観客席等で利用する想定かとは思うのですが、うまく利用することでスピードガンがない球場でも中継に速度表示ができるようになるかと思います。
外部出力なしのスピードガンでも同じ機能を実現するために、OCRを使って数字を読み取るシステムも開発しました。
こちらはまだ精度が甘いのでブラッシュアップが必要です。(実戦にはつかいません)
このシステムができれば、例えば球場にはスピードガンが設置されているけど、それをパソコンに取り込めない。
といった場合に活用ができます。
すでに甲子園予選のテレビ中継でも活用されているシステムなので使い古されたシステムではありますが、
利用したい方がいるかもしれないので、今後無料か有料での配布も検討しています。
まずは旭川ビースターズの試合中継向けに利用想定なので、少しずつブラッシュアップしつつ試合中継が豪華になるように努めてまいります。