【第7回】ゲームプランナーのお仕事とは。レベルを合わせるという技術

ゲーム開発やコンテンツ開発を行っていく上で、自分自身の「レベル」は非常に大事になります。ここでいう「レベル」とは知識のことで経験年数とはちょっと違います。この「レベル」を合わせるというのはどういうことなのでしょうか。

まずはレベル上げをしよう

ドラゴンクエストやファイナルファンタジーに代表されるRPGは主人公のレベルを上げてボスを倒しに行きます。RPGの他、強力な武器を手に入れて戦ったり、戦況に合わせてアイテムを使い分けたりする「プレイヤースキル」というものもありますよね。このように、何かをするためには「レベル」を上げなくてはなりません。

レベル上げはゲームをプレイする時だけではなく、ゲームを作るときにも重要になってきます。ではゲーム開発におけるレベルアップとは一体何なのでしょうか。

【レベルアップその1】知識レベルを合わせる

ゲーム開発を行う際には企画書を作ったり、そもそも雑談の中でアイデアを出し合ったりしていきます。そこで必要なのが「知識レベル」です。

例えば話し相手Aが『ほら、昔あった『無限のリヴァイアス』みたいな宇宙で極限脱出ものとかどう?』と聞いてきたとします。でも自分Bはその作品を知りません。そこで、自分が持てる限りの知識で会話を成立させようとします。『宇宙で極限脱出なら『彼方のアストラ』みたいな感じですね、なるほど』

さて、一見会話が成立したかのように思えますが、実は成立していません。ここで例に上げた『無限のリヴァイアス(1999年)』と『彼方のアストラ(2019年)』はアニメ作品です。二つとも同じ宇宙で少年少女が極限環境のなか生き残るために冒険をしていく作品なのですが、根本的なイメージが合っていません。

無限のリヴァイアスは宇宙船に取り残された多くの少年少女たちが時には協力し、時には対立しながら生き残るために何でもする、という人間のドロドロとした感情を引き出している作品です。鬱アニメのカテゴリに入りスッキリ爽快なエンディングとはいきません。

彼方のアストラも宇宙船に取り残された少年少女が自分の住む星に帰還するため冒険を繰り広げる作品です。しかしこちらは仲間と協力し、謎をときながら最終的にはきれいなエンディングを迎えます。

Aは鬱々とした作品をイメージしているのに対してBは仲間との友情作品をイメージしています。なんとなくイメージの共有はできているものの、目指しているゴールはかけ離れてしまいました。このゴールを共有するために必要な情報を集めておかなければどこかでズレが出てくることでしょう。このため、まずは自身の知識レベルを相手に合わせることで会話を正しく成立させていくことが可能になります。

【レベルアップその2】自身の知識量をレベルアップする

アイデア出しの段階では、必要最低限相手と同じレベルを持って話をしていく必要があることが分かりました。しかしそれだけでは足りません。次は自分自身の知識量をレベルアップする必要があります。

相手のレベルに合わせるだけだと、場合によっては低いレベルで満足してしまい、完成した作品がどこかで見たことのある二番煎じになってしまうことも少なくありません。そのため、アイデア出しの後には関連作品を調査して出てきたアイデアの検証も行いましょう。

知識量が多ければ多いほどアイデアの検証ができるようになっていきます。過去に失敗したのか成功したのか。失敗の理由は何だったのか、成功の理由は何だったのか。ゲームプランナーはあらゆるコンテンツの知識を持って仕事ができるようにしていきましょう。

【レベルアップその3】ゲーム以外の分野もレベルアップ

ゲームプランナーはゲームを作る人なのでゲームの知識がレベルアップすれば良いのですが、ゲーム以外の知識も学びましょう。ゲームと一言で言ってもジャンルは幅広く、RPGだとしても開発内容によっては神話や歴史、物理学から経済学まであらゆる知識が求められます。ゲームはユーザーがプレイして楽しいだけでなく、リアリティを持っているのか、創作ファンタジーが斬新なのか、特定のことを学べば事足りるものでもありません。なので普段からあらゆるものに興味を持ち、広く浅い知識をきっかけにして必要なタイミングで深堀りできるよう準備しておきましょう。

ゲームプランナーはゲーム以外の知識が重要になってくる

ゲームプランナーになるためには、好きなことだけでなく興味の無いものに対しても興味を持つよう普段から訓練しておくと良いと思っています。いつどんなゲーム開発に関わるかは分かりませんし、たとえシリーズ化されている人気ゲームだったとしても時代に合わせたカスタマイズは必須です。昔のわずかな知識だけで何十年も仕事ができるものではありませんが、最新のゲーム知識だけあってもだめなのです。バランス良く歴史の勉強をするようにゲームの歴史もしっかりと学んでゲームプランナーとしてのレベルアップをしていきましょう。