【第8回】ゲームプランナーのお仕事とは。アウトソーシングの上手な使い方

ゲーム開発に限らずシステム開発の強い味方が外部人材です。
自社で賄えない技術をアウトソーシングして切り抜けていくことは日常茶飯事です。
しかし、中には失敗してしまうアウトソーシングもあります。どのように良い人材を見つけて仕事を完成させていけばよいのか、外部人材管理に関するお話をしていきます。

海外の安い人材を使いたい!

アウトソーシングを実施する際に思い浮かぶのは「安く」というキーワードです。日本のエンジニアよりも海外のエンジニアのほうが安く雇えるから皆が使っている、と思っていないでしょうか。中国やインドネシア、ベトナムのエンジニアを使って安くシステムを作ろうと考えるのはよくあることです。しかし、目先の値段だけで決めていないでしょうか。

当社はPM業務やシステム開発業務など他社様のお手伝いをすることが多いのですが、そこでは海外人材、特にベトナムやインドといったIT先進国にある企業とのやり取りが増えてきています。特別に安い値段でできるわけではないものの、日本国内よりも優秀な人材が多いので費用に対してアウトプットの質が高くなります。

海外の優秀な人材が何故安いのか、それは物価の問題です。日本で1ヶ月生活するのに20万円必要だったとします。それが海外の特定地域になると月に10万円で裕福な生活ができたり、5万円でもその国の平均月収を大きく超えていたりと様々です。うまくそういった人材を掘り起こしできればもちろん良いのですが、本当に大丈夫でしょうか。

安いだけでは失敗する

アウトソーシングで費用を安く抑えて成功した話はよく聞きますが、それと同じくらい失敗した話も聞きます。これは海外の安い人材がだめだったのではなく、依頼側に知識が無いからです。

冒頭でも書いたように、海外の賃金形態により日本国内で作業を依頼するよりも安く費用が抑えられるのですが、仕事の仕方にも大きく違いがあることを知っておく必要があります。
日本人は1を聞いて10を理解し、さらに20にして返してくれる「かゆいところに手が届く」文化になっています。仕様が未確定の状態でも話の中で理解してくれて、依頼側が求めるアウトプットをきちんと出してくれる事も多いです。(そうではないことももちろんあります)

一方海外の場合はそうではなく、仕様書の通りにしっかりと作る所までは同じです。それ以上の仕様書にないものは作りません。すべての人がそうとは言えないものの、トラブルを防ぐ意味でも依頼された仕事以外は行わないのが普通です。なので、依頼主が明確な仕様書を作らないといけませんし、アウトソーシング側も依頼された内容を満たせば事足りるので受注費用以上のサービスはする必要が無いのです。
勝手に仕様書にないところまでサービスで作ったとして、それが原因で不具合が起これば問題です。なので仕様書を満たすことが最重要課題となります。

依頼主にも相応の知識が求められる

海外企業へアウトソーシングする場合は社内に1人でも良いので知見をもつ人材を置くことが求められます。不具合の予測をし、アップデートやアップグレードに対応するための拡張性を持たせる仕様書を作れなければなりません。
社内に専門家を持っていないことがトラブルの原因になってくるのですが、人材が足りないからこそアウトソーシングをしていることもあり難しい問題です。

少なくともすべての作業を丸投げする際は、提出された仕様書を見て問題が無いか判断する人材を確保しておくことをおすすめします。あるいは仕様書の確認をしてくれる業者を探しておき、実作業はしないものの書類の精査は依頼しておきましょう。これで不要なトラブルを回避する可能性が高まり、出来上がったシステムが結局稼働すること無くゼロから作り直す、といった事を防げます。

必要な人材をスポットで確保する体制を整えよう

専門家を探すサービスは世の中に沢山あります。その専門家がしっかりと仕事ができるのかどうかを判断するための専門家も本当はほしい所ですが無限ループになるので評価制度があるサービスを使いましょう。

クラウドワークス」や「ランサーズ」といったフリーランスが多く登録しているサービスにも優秀な人材は数多く存在しています。1時間単位で話を聞けるスポットサービスの「ビザスク」や専門エージェントを介して紹介してもらう人材紹介サービスもあります。費用は専門性が高くなるとその分費用もかかってしまいますが、失敗して多額のロスを出すよりは断然安いです。

アウトソーシングは賢く使うと費用を抑えて質の良いアウトプットを得られますが、間違った使い方をすると使えないシステムにお金を払うこととなります。これは受注側が割るのではなく、発注時の情報提供の仕方が悪いことが大半です。