無観客ライブの可能性とインタラクティブ性

あけましておめでとうございます、シナスタジアデザインです。
本年もよろしくお願いいたします。

年末年始のイベントも大きく縮小され、年末恒例の歌番組は無観客収録となり新しい様式によるコンテンツ制作にも慣れてきたのではないでしょうか。年末に行われた『This is 嵐 LIVE 2020.12.31』では面白い試みもあり、これがスタンダードになっていくのではと思っています。

・This is 嵐 LIVE 2020.12.31
https://online.johnnys-net.jp/

オンラインでもインタラクティブなライブ

今回は無観客オンラインライブということで北海道から見ていましたが、そこでいくつかの試みが行われていました。いずれもインタラクティブ性の高いもので、オンラインライブの面白さが見えてきます。

まずインタラクティブとは、「相互作用(お互いに作用する様)」や「双方向の」といった意味のカタカナ語です。 双方向性なので、言葉を投げかけたら投げ返してくれるという状態でしょうか。今回のライブで行われたインタラクティブな試みのポイントは、「ユーザー間」と「会場にいる感覚」です。

友達同士で楽しめるオンラインライブ

まず「ユーザー間」は『フレンズ参戦』機能です。
これは友達やファン同士が繋がれる機能で、ファンがチャットを楽しみながら視聴できる仕組みです。これにより一緒にライブ会場に行って楽しめるような感覚を味わえました。
これまでは自分の端末上で視聴をするだけでした。友達と連絡を取るためには別途LINEなどで連絡し合うのみでしたが、今回は同じストリーミング上でチャットができます。さらに、事前にグループを作ることで、参加した人しかチャットを見られないため、ニコニコ動画のように一方的にコメントが流れてくることもありません。

ライブ会場の臨場感をオンラインで再現

次に「会場にいる感覚」では『MEETS CHANCE』機能です。これが今回面白いと思った機能で、実際にライブ会場に設置されたディスプレイに視聴者の映像が写ります。演者がユーザーの顔を見ることでライブ感が増すこともありますが、リアルタイムで演者とコミュニケーションが取れるというのが魅力です。ディスプレイには専用カメラが設置されているため、自分に向かって手をふってくれたりリアクションをしてくれたり、「オンラインでも会いに行ける」感覚が良いなと思いました。

これまでもニコニコ動画、TikTok、Youtube Liveなどなど、個人レベルの映像配信サービスは多数出ていますが、大きなライブ会場でそれを実現している部分がポイントです。ただストリーミングを見ているだけから、自分の熱量を会場にいるアーティストへ伝えることが可能ですし、逆にアーティストがファンサービスを積極的に行えるという特別感も演出できます。
プレミアム感が非常に高いため、例えばS席として指定すると通常よりも高い料金設定で販売することも可能になることでしょう。これは冷え込んだイベント事業者に対しても大きなヒントになったのではないでしょうか。

新しいLiveの形へ

アーティストのライブは会場で体験するのが最も良いのですが、現在は難しい状況が続いています。さらにチケット争奪戦や不正売買などの対策にも苦慮しているのが現状です。オンラインによる配信は現場の特別感はなくなるものの、使い方次第では本当にプレミアムな体験を提供できる可能性をまだまだ秘めています。
5G時代になり大容量データの送受信が可能となることで実現できる技術もたくさんあるでしょう。古いものから新しいものへ、という安易な入れ替えではなく、良いものもを活かしつつ新しい挑戦もやっていくと考えて取り入れてみてはいかがでしょうか。